だんだん慣れてきた?
そんなこんなでやってると、だんだん望遠鏡のセッティングとか、アライメントのコツが掴めてきたのか、あるいは、そんなの関係なくて最新の機材に詰め込まれたテクノロジーが、勝手に素晴らしい成果をもたらしてくれているだけなのかもしれません(これが多分正しい?)。
ベッドにゴロゴロ寝転んで観測するので、監視カメラで確認しながらです。
こんないい加減な私のセッティングでも、だんだんと星は逃げなくなり、ぶれなくなってくるんですね。
今では3時間くらい連続して追い続けることもできるようになってきました。
それだけでも、めっちゃ嬉しい。
今まで見たことなかった天体も、次々と導入できます。素晴らしい。
しかし、それでもうっとりするような綺麗な写真は撮れません。もちろん、長時間の露光は必要なのですが、長時間露光したからと言って、素晴らしい素材が得られるわけでもないみたい。
どうやら、それとこれとは別の話だったようです。
東向きのベランダからなので、天体の高度がまだ低いところから追うんですよね。天頂付近の一番良い状態のところでは撮れない。
かと言ってベランダの外に望遠鏡が突き出るような状態は怖いし、何か外に落としたら大変。
まあ、遠征せずに星を撮ろうとするのなら、これは仕方のないことですね。
いつか、旅行先でササッと撮影できるくらいに、機材を最適化しておき、撮影の腕も上げておくこととしましょう。
長時間追尾できるようになると、光害対策フィルタを使いたくなりますね。
私は評判の良いQBP 2とか、3とかを試しているんですけどね。露出時間をうんと稼がないといけないのが結構しんどい。
あ、そうそう、フィルタありのフラットフレームを撮っている時に、なんだか光軸ないしは、カメラのアライメントが、やや怪しいのではないかと感じることがあって、あれこれ調べてみましたら、レンズの光軸はまあ大丈夫かなぁという範囲、カメラのスケアリングも、まあまあ、ええんちゃう?という感じだったんです。
それで、フィルタの差し替えができる治具を使っているのですけれど、そこを調べてみたら、コイツが大変怪しい。
コイツに取り付けたフィルタは、ほんの僅かですけど傾いてしまうみたい。
今は左が青っぽく、右が赤っぽく、ズレが生じています。例えばこんな感じのフラットになっちゃう。
光害対策フィルタの多くは、干渉フィルタなので、真っ直ぐ挿入したいのですけどね。
【後日補足:ノーフィルタのフラットも同じ傾向が出たので、フィルタやフィルタホルダのせいではなく、そもそもSV503のレンズの光軸がズレている可能性あり。修正はものすごく面倒なので、この問題は放置します。】
私がフィルタの効果を十分発揮できていないのは、フィルタの傾きだけが原因なのか?と問われると、それは自信は無いのです。
そのまま気にせずフラット補正して使うのもいいかもしれませんが、気持ち悪いです。
フラット画素の結果から、ライトフレームも、視野の左が青っぽく、右が赤っぽくなってしまうはずです。早く解消したいですね。
とはいえ、市販の望遠鏡で、完璧な光軸なんてのは難しいでしょうし、天体を追尾し始めれば当然、バランスも狂ってくる訳で、さらにはドローチューブに、あれこれと重い機材を接続したりすれば、望遠鏡なんて、簡単に、たわんでしまいそうな構造ですものね。
その辺、多少はズレて当然のものに対し、真面目に光軸合わせするのは、とてもめんどくさいので、あまり深く気にせずラフに扱いたい。
だから、干渉フィルタを使うのなら、多分、フィルタ以降CMOSまでの光路長を、それぞれの傾きの影響が少なくなるように、可能な限り短くなるようにするのが良さそうな気がします。
さて、前置きが長くなりましたが、今夜は久しぶりに晴れているようなので、対策は後回しにして、撮影の練習がてら、効果や問題を確認していきます。
今さっき撮った、M83のフィルタなしの4枚スタックです。
以下、全てフラットも、ダークも、バイアスも無し。露出は60秒のライブスタックです。
フィルタなしは、撮影時間が短くて済むのがいいですね。脇役の星々も派手に写りますので、満天の星空に憧れる私の好みです。
M83 QBPフィルタありの4枚スタックだと、だいぶ暗い。
もちろん、銀河にはQBPフィルタの効果はないですよね。むしろ銀河は背景(街明かりの光害)と共に暗くなるはずです。
こういった天体は、とりあえず、フィルタなしでいいのかな。なるほど。
M83 QBPフィルタありの16枚スタック。
スタック枚数を増やしても星々が明るく写るわけじゃないですから、印象としては、なんか寂しい。
S/Nは良くなってるっぽいので、フィルタが悪いというわけではないですよ。
別の対象に行きましょう。
M57 フィルタなし、4枚スタック
ガスが光っている対象なので、QBPフィルタの効果を期待できるかな?
M57 フィルタなし、17枚スタック
サッサと色んな対象を見て楽しみたいなら、フィルタなしの60秒4枚スタックで十分かな。
M57 QBPフィルタあり、4枚スタック
やはり、背景と星々は暗くなって、ザラザラ感がなくなるものの、ありがたいことに、星雲のガスはあまり暗くならないみたい。フィルタの効果はありそうですね。良かった。
M57 QBPフィルタあり、16枚スタック
スタック枚数を増やしても、やはり星が明るく写るわけではないので、派手にしたければ、ゲインを上げるか、ビニングするか、露出を伸ばすか。
写真にするなら、ザラザラ感は減らしたいので、この感じの場合なら、少なくとも16枚以上はスタックしたいですね。
では、NGC7000 フィルタなし、4枚スタック
北アメリカ星雲ってやつですよね?
赤い星雲とは知っているのですが、どんな形なのか良く知りません。あえて星雲の本に載っているような写真は、じっくり見ないようにしています。自分で観察して実感したいから。
しかし、ぱっと見、導入したはずの視野には、星々しかいませんねぇ。
北アメリカ星雲て、どこにおるん?
そこで便利機能、ASIAIRのAnnotateによると、NGC7000は、先ほどの視野の全体に広がっているそうです。私のように経験値の低いものには、これがものすごくありがたい。きっと頑張れば写るはずなのだと、励みになります。最適な焦点距離や、CMOSサイズの検討もできますしね。
NGC7000 フィルタなし、16枚スタック
まだまだ、私には難しい対象なのだろうと思ってはいたものの、じぇんじぇん見えませんね。
NGC7000 QBPフィルタあり、4枚スタック
おや?よーく見れば、なんとなく赤くぼんやりとモヤモヤしたものが、見えてきましたね。
NGC7000 QBPフィルタあり、16枚スタック
スタック枚数増やしても、たいして変わらないですね。こういう時に、このまま、しつこく何枚もスタックを撮っても、努力の割に成果が伴わないのだろう、ということはわかってきたつもりです。
まだ高度が低いのかな。
ちょっとヒストグラムをいじって炙り出してみましょう。
あちゃー、やっぱり、フィルタの傾きが悪さしているみたいですね。左が青っぽく、右が赤っぽくなつてしまいました。やっぱり、これじゃダメですね。
これでは、頑張ってデジタル加工しても、色も変になっちゃうでしょうし、補正できるのだとしても、どんな色が正しい色なのやら、私には分からない。デジタル加工以前の問題で、素材にならないレベルですよね。
フィルタの使い方を根本的に間違えているのかしら。
それとも、何も考えずにフラット補正してしまうのがいいのかなぁ。
フィルタのホルダを別のものに取り替えて、真っ直ぐになるアタリのホルダを探すしかないのでしょうか?
NGC6888、別のフィルタホルダにさっきのフィルタを付け替えたもの。16枚スタック、ヒストグラムをちょっといじったもの。
さっきとは、若干違うようですが、あまり変わらない。
色々部品を、付けたり外したりした結果、傾きの原因はやっぱりフィルタ・ホルダのはずなんですが、ホルダ自体は削り出し?のようで、差し込むと磁石で定位置に固定されます。角度調整は出来ない構造っぽい。
便利なんだけど、ホルダは諦めるしかないのか?
もし、私のように、イマイチ、フィルタの効果を十分に発揮出来ないと感じる場合は、レンズとの相性の検討の他、フィルタの取り付け方を、一度見直してみるのもいいのかもしれませんね。
私は、しばらくは、出来るだけ、写真の加工はしたくない。
そもそも、そんな技量もないですし、まだ何時間も手をかけて作品にしたいと思えるほどの良い素材は撮れていません。
今やりたいのは、子供の頃からやりたかったリアルタイムな「観測」なんですね。
眼視ではあまり良く見えないので、私の興味は、今、Live stackにあります。
とか言いつつも、Photoshopとか、Stella Imageとかを買ったりしてるんですけどね。
Photoshopは、まだインストールすらしてない(汗)
観測と言いますが、計測するわけでもなく、ただひたすら、観ているだけですけど。
あ、回折格子を手に入れてあるので、そのうち天体の波長を調べてみたいですね。
そのうち、露出を変えた画像を集めて、HDR的な合成については、やってみたいです。
さらにモノクロカメラを手に入れることができたら、波長ごとにフォーカスを合わせて丁寧に撮影してからコンポジットとかしたいですね。
グローバル・シャッターのカメラを手に入れることができたら、惑星のラッキーイメージング撮影とかもやってみたいですね。
てなことを考えていると、Player Oneさんのカメラが気になって、気になって仕方がないのです。あーダメダメ。ちゃんと今の機材で撮れるようになってから。
つづく